忍者ブログ

debsy mmo

信長は、真剣さの中にも やや焦り

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

信長は、真剣さの中にも やや焦り

信長は、真剣さの中にも やや焦りが見え隠れする面持ちで答えた。

 

「承知つかまつった。ではこちらも明日より、万全を期して貴殿の御居城をお守り致しましょうぞ」

 

「よろしゅうお頼み申す」

 

 

 

 

しかし、その日の夕刻。

 

出陣前の最終打合せを兼ねた軍議の席で、居並ぶ重臣たちの最前に控えていた筆頭家老・林秀貞が

 

──此度の戦、我らは出陣など致しませぬぞ」瘦小腿

 

突として出兵を拒んだのである。

 

「佐渡よ。今、我らと申したな。我らとは誰ぞ?」

 

他の重臣たちが困惑の声を上げる中、信長は動じることなく秀貞に伺った。

 

「無論、某と弟の通具にございます」

 

「美作守か

 

信長の冷やかな眼差しが、強張った表情で身構える通具の横顔に注がれた。

通具は何も答えず、ただ一礼のみを返す。

 

「理由(わけ)を聞こう。美濃軍が参り次第出陣すると申しておいたはず。何故に今になって出陣せぬなどと申す?」

 

……

 

「信勝との家督争いのことを、根に持ってのことか?」

 

「それもありまする」

 

秀貞は、この場で斬られても本望と言わんばかりの、敢然とした面を信長に向けると

 

「畏れながら殿は、この織田家を破滅に追い込むつもりなのですか !?

 

重々しい口調から一転、人間味を感じさせる声色で訴えた。

 

「美濃軍にこの城の留守を預ける旨、某は承服出来ぬと幾度も申し上げたはず!

にも関わらず、左様な大事を何故お一人でお決めになられました !?

 

秀貞の不服はこの点に尽きた。

 

如何に同盟国であろうとも、己の居城を他国の軍勢に任せるなど前代未聞である。

 

共に出陣して戦うのならまだしも、完全に留守を預けてしまうのだから、当然 斎藤家の裏切りを危惧して秀貞はこの案に反対の意を示した。

 

ところがこれを、信長はほぼ独断で決してしまったのである。

 

 

「美濃をその掌中に治めるまでに、道三殿が数々の謀殺や謀略を繰り返して来たことは、殿もようご存じにございましょう !?

 

出陣後、この城に残せる織田の家臣はごく僅かにございます。万が一にも美濃軍に裏切られるような事態に陥れば、我らは帰る城を失う事になるのですぞ!」

 

「元より承知じゃ。それも覚悟の上で親父殿にお頼み申した」

「分かっていながら何故!城を失うだけならまだしも、そのような最中に敵に攻撃を仕掛けられでもしたら、助かる見込みは無きに等しいのですぞ!」

 

「案ずるな佐渡、蝮の親父殿は儂を裏切らぬ」

 

「如何なる理由から、左様な断言をなされまする !?

 

「儂がひとえに親父殿を信じておる故──それだけじゃ」

 

信じているからとは……殿、ご冗談で申しているのでございましょうな?」

 

「いや、儂は本気じゃ。佐渡、信じる心を失のうたら男は終わりぞ」

 

場に似合わぬ揚々とした口調で告げる信長の前で、秀貞は大きく肩を震わせると

 

話になりませぬ。通具、参るぞ!」

 

とうとう一言も発さなかった弟を引き連れて、苛立たし気にその場から去って行った。

 

と、殿、如何致しましょう !?

 

「佐渡守様が出陣せぬとなると、兵の数が足りなくなりまするぞ!」

 

「お引き止め致した方が宜しいのでは !?

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R